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補助錠と「1ドア2ロック」の効果

知識・ノウハウ
2021.06.14

補助錠の設置とその防犯性とは?

住宅や店舗(自宅兼含む)の防犯性を高めるために、玄関など出入口に設置する鍵について、関心が高い方も多いと思います。昨今、コロナ禍に乗じた犯罪も増加傾向にあるようで、ピッキングやサムターン回しなど、不正開錠手口に強い鍵を設置することは防犯上とても重要です。「もしも」の時に備えるために今回はドアに補助錠を付けて「1ドア2ロック」にすることで得られる効果や、設置の際のポイントについてご紹介します。

補助錠とは

補助錠とは、すでに備え付けられている鍵(主錠)とは別に設置する鍵のことです。1つのドアに2つの鍵を設置することを「1ドア2ロック」といい、主錠+補助錠でドアを施錠することで、より防犯性が高まります。「1ドア2ロック」は、国土交通省が示した「防犯設計指針」にも、設置が推奨されています。

補助錠とは

【住戸の玄関扉の錠は、ピッキングが困難な構造のシリンダーを有するもので、面付箱錠、彫込箱錠等破壊が困難な構造のものとする。また、主錠の他に、補助錠を設置することが望ましい。】
(『防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針』国土交通省)

コロナ禍で見直されるドアの鍵

去る2021年2月、警視庁は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う犯罪情報(警視庁:「店舗を狙った侵入窃盗に注意」より)として、店舗などを狙った侵入窃盗に関する注意喚起を行いました。それによると、営業時間を短縮または営業自体を自粛している店舗や自宅兼店舗に対する侵入窃盗が発生しており、防犯対策を強化することを示しています。
防犯対策の中でフォーカスしたいのがドアなどの出入口です。侵入経路・手口として、無施錠の出入口や小窓などからの侵入や、ポストなどに入れていた合鍵を使用しての侵入が挙げられています。ドアに補助錠というと一般的な住宅(自宅)というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、店舗(自宅兼店舗)も必ずしも安心・安全ではないことが分かります。

コロナ禍で見直されるドアの鍵

空き巣は侵入に時間がかかるのを避ける

空き巣は侵入に時間がかかるのを避ける

空き巣は侵入する対象を選別するとき、他人の目に触れにくい場所や侵入までの時間がかからなそうな所など、できるだけ侵入するまでの手間が少ない建物を選ぶ傾向があります。
侵入に手間取れば、それだけ発見されたり逮捕されたりする可能性が高まるからです。
補助錠を付けておくことで、1つの鍵を開錠するよりも手間がかかります。補助錠自体が不正開錠に強いわけではなくても、「鍵が2つ付いている」ということを認識させ、手間を嫌う侵入窃盗犯が敬遠するようにアピールすることがとても重要です。補助錠の設置は、視覚的に「侵入しにくい家」であることを空き巣に伝える効果が大きいといえます。

補助錠を設置する際のポイント

補助錠を設置する際は、主錠とは離れた場所にし、視覚効果を高めるためにも目に留まりやすい位置に設置することをおすすめします。
補助錠を選ぶ際は、できるだけピッキングがされにくいタイプの鍵を選ぶようにしましょう。

補助錠を設置する際のポイント

住宅や店舗の防犯性を高めるには、空き巣などの侵入経路を想定してしっかり施錠しておくことが肝心です。不正開錠に強い鍵を選ぶのはもちろんですが、補助錠を設置することで、より防犯効果を高めることができます。工具なしで設置できるものもありますので、ここでご紹介したことを参考に、補助錠の設置について検討してみてください。

「錠」と「鍵」の表記について
錠前(錠・ロック・lock)は、扉などに取り付けて締める金属、機械的または電子的な部品をいいます。
鍵(かぎ・キー・key)は、錠前を施錠・解錠する(操作する)ための器具をいいます。
ここでは便宜上、日常的な会話に合わせて、鍵と錠前をまとめて「鍵(かぎ)」と記載している場合があります。